はい哲学科研究室です

哲学の研究と実践の中で考えたことを書きます。

6月の哲学カフェのお知らせ


哲学を大学だけでなくカフェでもしよう。

専門家だけでなくわたしたちも哲学しよう。

普段当たり前だと思っていることを、改めて問い直し、じりじり考えて話してみたり、人の話を聞いてびっくりしたりしよう。そういう試みをゆるく哲学カフェと呼んでいますが、ここ7年ほど色んなところで主催したりお手伝いしたりしています。

facebooktwitterで何かある度に告知していたのですが、まあせっかくブログがあるんだしということでまとめて載せてみました。学校などでももちろん行われていますが、見学や参加が難しいのもあるので、一般枠として誰でも参加できるものを並べてみます。

 

  

6月2日(日)Core Talk Cafe「第91回 仮面」

www.coretalkcafe.jp

www.facebook.com

14:30〜16:30 @四谷三丁目「スタジオスクイント」(東京都、新宿区) 

2011年に四ッ谷三丁目で設立された哲学カフェで、現在4名で運営、ファシリテーターを3名持ち回りで開催しています。
毎月開催していたのですが、運営メンバーが忙しくなり現在2ヶ月に一度のペースで開催されています。

「仮面」なんて変なテーマですが、「みんな仮面をつけて生きている?」とか「演じるのは悪いこと?」など、わりと強めな話をしたいなと思っています。

 

申込方法:FB(上記リンク)かメール(coretalkcafe@gmail.com

 

6月8日(日)京都洛北哲学カフェ

f:id:nagairei:20190528231920j:plain

14:00〜16:00(13:50寺務所前集合)@狸谷山不動院京都府左京区

これまで左京区顕本法華宗総本山妙満寺にて開催していた哲学カフェですが、NPO法人森と水の会にご協力いただき、洛北地区の他の寺社でも開催できることになりました。

第一弾は8月に、世界遺産である下鴨神社さんをお借りして、満員御礼の開催となりました。第二弾は紅葉が素晴らしい大原寂光院での開催で、こちらも満員でした。第三弾は貴船神社さん、そして今回は狸谷山不動院さんです!

厄よけ・交通安全祈祷 | 真言宗修験道 大本山 狸谷山不動院

HPがすごく丁寧に作られていて、見ているだけでたのしい。
instagram(!)でも告知していただきました。ありがとうございます。

 

申込方法:メール(terracafeinfo@gmail.com

 

6月22日(土)哲学相談研究会「哲学プラクティスの倫理」

wisdomofloveandpractice.blogspot.com

13:00〜18:00 @大阪大学明治大学

哲学カフェではなく、研究会ですが、一応告知です。
わたしは「哲学対話に見られるヴァルネラビリティの二つの位相ー傷つきやすさと傷つけやすさ」を、実践報告を交えて発表(問題提起)します。

会場は、大阪大学COデザインセンターですが、東京とネット中継をするため、明治大学の和泉キャンパスでも行われます。各10名が定員なので、哲学プラクティス実践者もしくはそれに興味がある方はお早めに申込みを!

申込方法:HPからメール

 

 

6月30日(日) Cafe Philo テツドク!

cafephilo.jp

14:00〜16:00 @東京ウィメンズプラザ第1会議室A

 

日本を代表する哲学カフェ団体であるカフェフィロさんにお呼びいただき、サルトルの『実存主義ヒューマニズムである』を読むというイベントの紹介者をつとめることになりました!

哲学書読んでみたいけど難しそう、サルトルってどんな人なんだろう、ジツゾンシュギって何、などなど、思っている方いたら、ぜひ一緒に読んでみましょう。テキストは買う必要はありません。予習も必要ありません。

わたしが思うサルトルの魅力を詰め込んだレジュメも頑張って作るので、ぜひもらって帰って下さい◎

 

申込方法:hiroizum@cafephilo.jpまでメール

 

 

 

******

 

哲学カフェって聞いたことあるけど行ったことがないとか、普段とは違う頭の働かせ方をしてみたいとか、普段気になっていることについて大まじめにみんなでうんうん考えたいとか、考えたりするのが好きだけどあまりやる機会がないとか、そんな人たちにおすすめです。


事前知識や準備してきていただくものは一切必要ありません。

世界のふしぎに、正面から向き合って考えてみましょう!

みなさまのご参加をお待ちしています。

 

 

 

やっぱりハリーポッタリ

 

水曜日

論文を書く。正確に言えば、書こうとしている。
書こうとしている、ということはつまり、書いていないのだ。

学会の発表原稿も書く。正確に言えば、書こうとしている。

終わらない。

終わらない、ということについて哲学カフェするのはどうだろうか。
「終わらないですよねえ」と言い合って終わりそうだ。

 

土曜日

久々に実家に帰ると、pcが「俺、ここのwifi覚えてますんで」とでも言うように実家のwifiを即座に拾ってくれる。すごいな君は。わたしはさっき読んだ本の内容も忘れた。

仕事をしたあと、論文を放り出して、溜まっている原稿を書く。

父親が、おとなや子供向けに哲学対話を行っているNPO法人のことを「なんだっけ、あのなんでんかんでんみたいなやつ」と言う。

「アーダコーダ」とわたしは言う。

ardacoda.com

 

月曜日

杉並区の小学校で哲学対話の授業の講師をする。
アイスブレイクで、小学生に「生まれ変わったら何になりたい?」と聞いたら「めかぶ」と言われる。

茶店で論文を何本かと、バトラーと鶴見俊輔を読む。
鶴見俊輔の明快で鋭利な文章、のどごしが良すぎて、風呂上がりの炭酸水みたいにごくごく読んでしまう。

帰りに本屋で、鶴見俊輔の本をまた買う。

 

水曜日

編集者さんと打ち合わせ。そのあと研究室に行って、仕事して論文書いて、書けなくて、予備校に授業をしに行く。

教え子が近況を報告しにきてくれてうれしい。同行していたお母さんに、彼の良いところを聞いて欲しくて喋りまくる。前に仲正昌樹の本を勧めたら買って少し読んでくれたとのこと。うれしい。

教え子はいつもかわいがりすぎてしまう。いわゆる溺愛だ。みんな幸福になってほしい。

 

木曜日

都内の高校で哲学対話の仕事。哲学カフェって知ってるひと、と聞くと、何人か手が上がるようになってきた。

帰りの電車で、iPhone SEが欲しいという煩悩が、バブが溶けるように、消えていくのを突如感じる。欲望が溶ける瞬間、というものを味わいつつ電車に揺られる。

清らかな気持ちで今さら、石井僚一とさくらももこを読む。

 

f:id:nagairei:20190429195748j:plain

 

土曜日

Tully'sで原稿を書く。

広いけど静かな店内で、レジのおねえさんが「ジェノベーゼワン!!これで、ジェノベーゼ終了しました!!」と大声を出す。ジェノベーゼパスタが売り切れたらしい。

 はい、ジェノベーゼが終了になります!!

 ジェノベーゼ終了!

 ジェノベーゼが終わりました!!

店員さんたちが次々と声を上げ始める。

ジェノベーゼは終わった。原稿は終わらない。

 

日曜日

ある論文投稿の締切日。結局うだうだしてほとんど書けていない。3時間くらいで何とか書き終える。

思えば修論も、序論を当日に書いたのだった。ツチヤさんに「ラディカルな直前主義」と命名されたのを思い出す。 

 

火曜日

仕事や論文・原稿の合間に、寺山修司『戦後詩』を再読する。興奮しすぎて喫茶店でえづいてしまう。大学で書類を提出したあと、テンションが上がりすぎて電車に乗り込み、本屋を5店舗回る。夜になりさすがに疲れて、植え込みに座る。

 

木曜日

コガさんに、こうした方がいい、これを食べるな、運動した方がいい、これに気をつけろ、などと、ぐだぐだと言い連ねる。コガさんはニコニコと黙って聞いている。一通り言い終わると、コガさんが明るく「次の哲学カフェのテーマ、"めんどくさい"はどうかな?」と提案してくる。高度な煽り。

コアトークカフェ4月のテーマは「めんどくさい」になる。

橋本治と、三島由紀夫と、ネットに落ちてる知らない人の博論を読む。

 

金曜日

溜まった家事と仕事を片付ける。編集者さんから連絡が入り、連載の原稿のラストを修正してくれないかと言われる。「死」を突きつけるような文章を書いてしまったのだ。色々と思惑があったのだが、やっぱり不用意だったかもしれない。

反省する。

論文をいくつか、鷲田清一の本、フーコー、短歌雑誌を読む。

 

日曜日

教授たちのミーティングに議事録作成係として参加する。ある先生が「しもかまた町というところに行きました!」と嬉しそうに話している。別の先生たちが「どんな字?」と聞く。先生は、空中に字を書きながら「えっ・・・しもに・・かま・・・」と説明する。それじゃわからないよ、と先生たちが言う。

 

水曜日

すごく上品でかわいい後輩と話す。うれしい。「おなかよわよわなんです」と彼女は言う。いつもお湯を飲んでいるそうだ。かわいい後輩と会話できることが嬉しくて嬉しくて、会話の中で「おなかゆるゆるなんだって?」と言ってしまう。ダイレクトだし失礼。

 

月曜日

茶店で仕事の打ち合わせをする。突然、年収いくらなんですか、と聞かれる。

正直に答えながら、山田航の「たぶん親の年収越せない僕たちがペットボトルを補充してゆく」という短歌が頭によぎる。

かなしくて、うつくしい。

 

火曜日

論文はあきらめて、原稿を書く。書けない。先生が出す本の原稿校正をする。脳が拒絶して読めない。スーパー銭湯に二時間行ってしまう。

トムヤンクンを三日連続で作る。天国のスープだ。

知らない人のブログと、論文と、フォークナーと、須賀敦子を読む。

 

水曜日

仕事は終わらないし論文も終わらない。学会発表準備も出来ていない。3ヶ月前に提出した予稿集を確認して、自分が学会で何を発表しようとしていたのか確認するが、全く身に覚えのないことが書いてある。

発表のためのネタ帳をひらくと「やっぱりハリーポッタリ」という言葉だけが書いてある。身に覚えがないしどうでもいい。

 

 木曜日

朝早くから横浜の小学校で打ち合わせなので、起き上がってあくびをする。その瞬間に左首から背中にかけて、電気が走る。ぎっくり首だ。

これまで経験したことのない痛みで、直立状態から動かせない。

それでも何とか服を着て、駅へと向かう。狂言師のような歩き方だ。うつむけないので、ノールックで改札を通り、そろりそろりとホームへ向かう。不気味だろう。背に腹は代えられない。スマフォを目の高さで持ち上げて「ぎっくり首」を検索する。どうやら、軽い肉離れのようだ。なぜ離れるのだろう。ずっと傍にいてほしい。

校長先生と、体と首を一切動かさない状態で打ち合わせを済ませる。哲学マシーンだと思われただろうが仕方がない。うなずいたり、体を折り曲げて笑うことができないので、目で全てを表現した。感情は目で表現すればいいのだ。

みなとみらいで働いているイマイにLINEをし、昼休みに会おうと約束を取り付ける。昼ご飯を食べようということになったが、本当は湿布を貼って欲しいのだ。「湿布を貼ってくれんか」とLINEすると快諾してくれる。「首とか肩とか背中とかまわらない状態」と送ると「背中はもともと回らねーよ 怖いわ」と送られてくる。

論文が終わらない。